タダスケの日記

ある弁護士の司法制度改革観察記録

2013-01-01から1年間の記事一覧

法科大学院崩壊ゲーム(元ネタ:人狼ゲーム)

法科大学院崩壊ゲームとは アメリカ発祥のパーティーボードゲーム「lawschool collapse」と、その亜種の総称です。日本では「弁護士失墜の大元凶、ロースクール解体勧告」というゲーム名でも普及しています。 ゲームの概要 ある国の司法制度改革の中に、法科…

ロースクール推進派の学者の日誌(元ネタ:かゆうま日記)

May 10,1998旧司法試験を実施した。 予備校を利用した奴らの答案は,皆同じような金太郎飴答案ばかりだ。 きっと丸暗記にちがいねェ。 俺たちをばかにしやがって。

そしてロースクールには誰もいなくなった

あるところに,法曹になりたい10人のインディアンの若者がいた。10人のインディアンが,親に,ロースクールの学費を出してくれるように頼んだ。 1人のインディアンの親が,経済的な事情から学費を出せなかった。 インディアンは9人になった。

「法曹養成 何のための予備試験か」中日新聞2013年11月1日

ツッコミどころがフルに詰まっていて,問題点を検討するには,ある意味,良い題材でした。 法曹養成 何のための予備試験か http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2013110102000095.html

この「抜け道」通るべからず

司法制度改革を進める学者が,法曹業界の入口に「ロースクール」という関所を設けた。また,「予備試験」という別ルートも設けられることになった。 関所が稼働してから数年がたち,いよいよ「予備試験」ルートの通行が開始されると,学者の想像をはるかに上…

ロースクールに対して怒れる十二人の男

法科大学院が,司法試験合格率が7割〜8割あるかのように騙り,学費の名目で,学生から数百万の金員を偏取したという事実で,国家的詐欺罪に問われる。争点は,法科大学院制度に合理性が認められ,正当業務行為として違法性が阻却されるかどうかだった。検察…

「(法科大学院は)制度として、かなり破綻状態にある」慶應大学,片山直也委員,法科大学院特別委員会(第55回) 議事録

「これはだめかもわからんね」ということらしいです。 法科大学院特別委員会(第55回) 議事録 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/012/gijiroku/1340256.htm 【片山委員】 慶應大学の片山でございます。つい先頃、本年度の適性試験の受験…

注文の多いロースクール

2人の若い紳士が,弁護士になる道を模索して歩いていると,にわかに司法制度改革の空気が湧き立ち,連れていた一発試験の「旧司法試験」が2匹とも泡を吹いて死んでしまった。彼らは「金太郎飴答案の弊害があった」、「論点主義の弊害があった」と、表面的な…

予備試験,ロースクール統合論〜半沢直樹に学ぶ司法制度改革案

予備試験とロースクールが,並列に置かれるものではないので,タイトルは正確にはおかしい表現ですが,感覚的な分かりやすさを優先しました。

縮む米ロースクール 乱立で弁護士飽和→就職難で志願者減 中堅以下に閉校の危機,日経新聞2013/9/26

どこの日本だ?という記事です。 縮む米ロースクール 乱立で弁護士飽和→就職難で志願者減 中堅以下に閉校の危機 http://www.nikkei.com/article/DGKDZO60179540V20C13A9TCQ000/

予備試験合格者の惑星(元ネタ:猿の惑星)

あらすじロースクールを修了して弁護士になったテイラーは,「宇宙船にも弁護士を」という学者の政策により,宇宙飛行士になる。彼の乗った宇宙船は,ある惑星に不時着する。テイラーが,その星の人間に,「ロースクールを修了して弁護士なった者だ」と自己…

「法科大学院10年 質高め改革の加速を」毎日新聞 2013年09月17日

はじめに言っておきますと,最近少なくなってきていた,すごいバイアスがかかっている記事です。 法科大学院10年 質高め改革の加速を http://mainichi.jp/opinion/news/20130917k0000m070083000c.html

「法科大学院 抜本的改革で再生を図れ」西日本新聞2013年09月04日

珍しくロースクールに厳しい論調の新聞記事がありました。 法科大学院 抜本的改革で再生を図れ http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/37423 内容にそれほど深みはありませんが,ロースクールに対して極めて否定的な評価がされています。 検討会…

「弁護士失墜の大元凶、ロースクール解体勧告」風間 直樹 :東洋経済 記者2013年09月10日

オンラインで読めるようになっていました。 弁護士失墜の大元凶、ロースクール解体勧告 http://toyokeizai.net/articles/-/19249 内容面に異論はありません。 言論統制が引かれているわけでもないのに,こんな当然のことがようやくマス媒体で記事になるとい…

米ロースクール、3年から2年に期間短縮を 大統領が提言2013/8/24日経新聞

概要としては,タイトルの通りです。 米ロースクール、3年から2年に期間短縮を 大統領が提言 http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2400K_U3A820C1NNE000/ 司法試験の受験資格が得られるロースクールは就職に有利だとして人気が高いが、学費が高額なこと…

就職難で公認会計士受験者が激減 金融庁の誤算…人材の質低下を懸念2013年8月26日

どこかで聞いたような話です。 就職難で公認会計士受験者が激減 金融庁の誤算…人材の質低下を懸念 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130826-00000503-san-bus_all

9月入学制度は,8か月の司法試験準備期間を確保できます。駒澤大学法科大学院

以下のホームページの,中ほど,やや下よりに,9月入学制度のことが,図入りで説明されています。 駒澤大学法科大学院ホームページ http://www.komazawa-u.ac.jp/cms/hoka_gai/

再々々度,岡田和樹弁護士よりコメントを頂きました(某青田刈り事務所についてなど)

ご指摘を頂きましたので、再度返答致します。続きものになりますので、前回の岡田氏からのコメントと、コレに対する私の返答は、念のため、末尾にコピペもしておきました。

新潟大学法科大学院が廃止を含めて検討中,新潟日報モア2013/07/30

廃校も含めて検討されているとのことです。 8月に改革案最終まとめ 新大実務法学研究科有識者会議 http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20130730057751.html 29日の会議には弁護士ら6人が出席。 中長期的な視点から法科大学院の在り方について(1…

金の斧,銀の斧

ある日,司法試験推進派の学者が,司法制度改革を進めていると,手を滑らせて,適性試験出願者数を,泉に落としてしまいました。学者が困り果てていると,泉から女神が現れて,こう言いました。女神「あなたが欲しいのは,修習生の就職状況の改善ですか?」…

再度,岡田和樹弁護士よりコメントを頂きました(弁護士に対する需要予測など)

前回のエントリーに対して,再度コメントを頂きました。 誠にありがとうございます。 拙ブログへの岡田和樹弁護士のコメントに対するコメント本文 http://d.hatena.ne.jp/tadasukeneko/20130713/1373692567コメント http://d.hatena.ne.jp/tadasukeneko/2013…

拙ブログへの岡田和樹弁護士のコメントに対するコメント

拙ブログの以下の昨年のエントリに対して,「岡田和樹」名にてコメントを頂きました。 誠にありがとうございます。 2012/09/30(Sun) 「法曹人口抑制論の虚妄(ザ・ローヤーズ2010年12月号岡田和樹弁護士)」の虚妄本文 http://d.hatena.ne.jp/tadasu…

法科大学院バトルロワイアル〜龍谷大学法科大学院,募集停止の方向へ

《あらすじ》「これから,皆さん法科大学院に,ちょっと潰しあいをしてもらいまーす」存続か,廃校か,生き残りを賭けた戦慄のゼロサム・ゲームが始まった。10年前に,無制限にロースクールを乱立させた張本人が,率先して下位校潰しを画策するという不条理…

多様な法曹の具体例が書けなかった朝日新聞,(法科大学院―「多様な法曹」のために,朝日新聞2013/7/2)

読後に,まるで度の合わないメガネをかけてしまったときのような軽いめまいを覚えるような,モヤモヤとした文章でした。ただ,面白いのが,多様な法曹の具体例を言うべきところで言えなかったことで,かえって「朝日新聞は,法曹の多様性など,本音では大し…

定評校維持のために奮闘する井上委員,法曹養成制度検討会議第13回(平成25年5月30日開催)

議事録がアップされていました。 法曹養成制度検討会議第13回(平成25年5月30日開催) http://www.moj.go.jp/content/000112269.pdf

弁護士職務基本規程を知らない即独弁護士-(下)「常識」備えず現場へ,日本経済新聞2013/7/1

「常識」備えず,というよりは,日経は,この「即独」弁護士が,弁護士職務基本規程を知らない点を指摘するべきではないでしょうか。 (下)「常識」備えず現場へ 若手弁護士、研修制広がる性犯罪事件の被害者側代理人を務めていた東京の50歳代のベテラン弁…

法曹養成制度検討会議第15回(平成25年6月19日開催)

開催されたようです。 法曹養成制度検討会議第15回(平成25年6月19日開催) http://www.moj.go.jp/housei/shihouseido/housei10_00032.html 私も,パブコメを提出した1人なのですが,「「中間的取りまとめ」に対して寄せられた意見の概要」には,まっ…

「法曹養成制度検討会議・中間的取りまとめ」に対する意見,慶應義塾大学大学院法務研究科 委員長 片山直也,平成25年5月10日

少し古いものですが,「定評校」の1つ,慶應ローが,中間的取りまとめに対する意見を公表しています。 ネタ的に面白かったので,取り上げてみました。 「法曹養成制度検討会議・中間的取りまとめ」に対する意見 http://www.ls.keio.ac.jp/news/2013/05/post-…

ロースクールが無用の機関と化した経緯,「司法制度改革,佐藤幸治,竹下守夫,井上正仁」

前回のエントリーに引き続いて,「司法制度改革」を見ながら,司法制度改革が,当初の目論見からどのようにずれていったかを検討したいと思います。司法制度改革作者: 佐藤幸治,井上正仁,竹下守夫出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2002/10メディア: 単行本こ…

「法曹人口がどれくらいであるのが適切かは,本来,社会の需要やマーケットとの関係で決まる」,井上正仁,2002年

「そんなふうに考えていた時期が俺にもありました」by井上委員表題の, 「法曹人口がどれくらいであるのが適切かは,本来,社会の需要やマーケットとの関係で決まる」 とは,以下の,2002年発行の「司法制度改革」(佐藤幸次,竹下守夫,井上正仁)という書…