《あらすじ》
「これから,皆さん法科大学院に,ちょっと潰しあいをしてもらいまーす」
存続か,廃校か,生き残りを賭けた戦慄のゼロサム・ゲームが始まった。
10年前に,無制限にロースクールを乱立させた張本人が,率先して下位校潰しを画策するという不条理の中,生き残れるロースクールは,果たして何校か?
卒業生の司法試験合格率が,学校の明日の運命を決めていく。
先行する定評校,なりふり構わず,経営度外視の無償奨学金で素質のある学生を漁り,これに追いすがる下位校。
もともとが大赤字の学校に,情け容赦のない補助金打ち切りの痛撃が加えられてゆく。
背後から忍び寄る,予備試験という魔法のつえの黒い影。
心の貧困が生み出す,お門違いの予備試験受験者への批判と炎上。
法曹志願者を奪われてしまえば,ロースクールに緩慢なる死が待ち受けているのは必定だ。
法曹志願者が回復するまで生き残った勝者に与えられるのは,富か,名誉か,大学の既得権益か。
新制度のために泣く泣く法曹の道をあきらめた潜在的な法曹志願者,国家的詐欺にかけられたと憤るロースクール生,就職難に苦しむ就活中の修習生,新卒資格を失うのと引き換えに莫大な借金を負わされた三振者,制度設計の失敗の巻き添えになった被害者たちの悲鳴がこだまする阿鼻叫喚の地獄の中で,この国の司法は一体どこへ行ってしまうのか。
有識者会議に御用学者が暗躍するという暗澹たる雲行きの中に,法科大学院の廃止の政治決断という,一筋の希望の光を果たして見出すことができるのか。
第1回日本とんでもホラー・ノンフィクション大賞受賞作
(参考)
wiki
バトル・ロワイアル
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%AB
龍谷大学法科大学院,入学試験要項
http://www.ryukoku.ac.jp/faculty/graduate/law_school/pdf/youkou2014.pdf