タダスケの日記

ある弁護士の司法制度改革観察記録

「(法科大学院は)制度として、かなり破綻状態にある」慶應大学,片山直也委員,法科大学院特別委員会(第55回) 議事録

これはだめかもわからんね」ということらしいです。

法科大学院特別委員会(第55回) 議事録
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/012/gijiroku/1340256.htm

【片山委員】
慶應大学の片山でございます。つい先頃、本年度の適性試験の受験者数のデータが公表されまして、昨年度から比べますと、ほぼ1,000人減という非常にショッキングな情報が伝えられております。
このような言い方は、良くないかもしれませんが、制度として、かなり破綻状態にあるという認識を非常に強くいたしました
やはりスピーディーに、きちんと再生の青写真を提示する、そういう必要があるのではないかと改めて感じたところでございます。

一度,破綻させてから,新しい制度でやりなおした方が,早いと思うんですけどね。

【井上座長】
それは法科大学院だけの問題ではなく、これまでこの問題をめぐって、例えば弁護士資格を得ても就職難であるとか、収入が下がったとか、もう満杯で若い人は要らないとか、そういうことが法曹、特に弁護士自身の間から盛んに言われてきた。
そういうこともあって、世間の人たちから見ると、法曹界ってそういうところなんだというイメージが形づくられてきていて、それが若い人、あるいは御家族も含めて、この方面に進学したり、進ませようという気を失わせてきているというところがあるように思うのですね

井上座長の認識では,弁護士がネガティブな情報を流していることが,法曹志願者を含む世間の人たちにマイナスイメージを植え付けて,法曹志願者数を落としているそうです。

弁護士の発言にそんなに影響力があれば,給費制は復活しているでしょうし,国会議員を動かしてロースクールを廃止させてますよ。

【田中座長代理】
 基本的な考え方として、公的支援を削減することじゃなくて、公的支援の仕方を見直すことのほうが重要ではないかと思われます。

例えば法科大学院へ進学することについて経済的な問題がネックになっているという意見もあることから、法科大学院の授業料を他の研究科より高く設定している現状を是正するとか、公的支援の対象を、各法科大学院じゃなくて、法科大学院に学ぶ学生へもっとウエートを置くとか公的支援の仕方が、法科大学院の教育の充実だけじゃなくして、優秀な人が法科大学院に来るインセンティブになる形にすることも考える必要があると思われます。

この中で,田中座長代理が,面白い提案をしています。

要するに,公的支援を,ロースクールにではなく,直接,学生の支援に回そう,ということです。



しかし,すかさず反論する井上座長。

【井上座長】
それの一つの使い方として、授業料ということも、もちろん視野に入るのだろうとは思いますけれども、恐らく、それだけでは法科大学院として、経営という意味で維持できなくなる、あるいは非常に困難になるというところも結構出てき得る

田中先生が言われるほど、それがなくても全然構わないということにはならないのではないかなという気がしますけれども。

経営難になるから,ロースクールに回せ,ということらしいです。

補助金を削減して,「兵糧攻め」をして,ロースクールの数を減らそうとしているのですから,ローが経営難になるのは望むところだと思うのですが。

それとも,「下位校」を狙い撃ちにして経営難に追い込むのはいいが,「定評校」まで経営難になるのは困る,ということなのでしょうか。
理解に苦しみます。