タダスケの日記

ある弁護士の司法制度改革観察記録

1コマの授業の予習に5〜8時間かかるロースクール

Yahoo!知恵袋のキャッシュで見かけました。

ロースクールの授業について。Yahoo!知恵袋
https://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:Rj4A2PIdEdEJ:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13173341603+&cd=1&hl=ja&ct=clnk&gl=jp

ロースクールの授業について。
旧帝ローに所属しているのですが、予習があまりにも膨大過ぎて、終わりません。
いや、終わってはいるんですが、心が折れそうです。
例えば、民法の物権分野だけでも、毎週1行問題30〜40個、判例5〜8個の読み込みがあり、予習に5〜8時間1コマだけでかかってます。
判例も原告側の動機が聞かれる事があり、100選等にない場合は1審から読む必要が出てきます。
今は、週に8個コマあり、予習で大体1週間で35〜40時間は取られています。
復習を考えると全く時間が足りません。
他のも概ね似たりよったりで、効率化を図っても、単純に量が多すぎて、限界があります。
恐らく、慣れても最低4時間はかかる量になると思います。
それでも予習で1週間で25〜30時間くらいはかかると思います。
これに加え、OB等の弁護士さんたちとの会合的なものや、上級生等の飲み会があり、時間が全く足りません。

予習をしっかりやると、講義が実質予習の答え合わせで受けてる意味が見出せません。
話してる内容も10分程度くらいしかあまり意味のあるものでなく、他は単に予習の内容を確認してるだけの状況です。

予習を踏まえた上での議論ならわかるのですが。。。
予習箇所も、基本書で細かく扱っていない箇所や定義が具体例等で済ませてる箇所が主です。
そうなると、通達等での確認をすることになり、それを一々探すのが果てしないです。

司法試験が難しいのは旧帝ローでも大した合格率でないのでわかりますが、そもそも合格率が低迷してる要因がこの膨大な予習のせいなんじゃないでしょうか?
前期の比較的忙しくない時期でこれなので、後期は1.3倍くらい忙しくなることが予想され、とてもこなしきれる気がしません。

合格者の話は大抵皆、洗脳されたかのように教員の質問に完璧に答えれるくらい準備することと言っています。
正直こんな無駄な予習をするよりは、予習を3分の1くらいに減らして、小テストを増やし、復習を主になるような形にして欲しいです。
予習のしんどさの原因はランダムであてられるため、どの質問があたるか事前に予測できず、講義参加者全員分の質問に対応しなければならないという所にあると思います。

慣れれば少しは時間短縮できる,というような記載があるので,時期的にも,今年4月に入学された学生さんでしょうか。
ロースクールの予習にかかる時間が膨大すぎる,とのことです。

そもそも,学部に上乗せする形でロースクールを設けたことにも見られるように,学者は,学生のリソース(時間的,金銭的)を無限かのように考えているような傾向があります。

言い換えると,学生に対しては,負荷をかければかけるだけ勉強になると,学者の先生は考えているようにも感じられます。

しかし,学生のリソース(時間,体力)は実際には有限なのですから,法律を習得するという目的に向けて,効率的にリソースを消費して頂きたいものです。

おそらく,学者の一部の先生は,学問を修めることと,効率性の追求は親しまないと考えていると思うのですが,弁護士も最終的には実社会に出て自らの事務所経営やクライアントの経済活動に関わるのですから,ローの学生でも,将来的には効率性の追求を無視し得ないのです(公務員=裁判官,検察官は別ですが……)。

現在,法曹志願者が激減しているのも,ロースクールの原則強制と弁護士激増政策により弁護士になることの費用対効果が悪くなったからであり,すなわち人生の効率性を追求する潜在的法曹志願者から見捨てれられたからです。
つまり,若き潜在的法曹志願者も,効率性追求という視点を強く持っているのです。

そのような中で,ロースクール教員だけが,法律を学習する上での効率性を無視してよいのでしょうか(反語表現)。

また,現在,たとえば予備試験と平等に競争するといったこともなく,ロースクール修了が原則強制されているのですから,その優遇措置に応えて,「強制してでも学生に受けさせるべきだ」と国民が考えるくらいの素晴らしい授業内容を研究するべきでしょう。

しかし,現実には,ロースクール強制,すなわち学生を2年間拘束できることにあぐらをかいて,予習の負荷が現実的でなかったり,学習の効率性を無視したり,趣味に走ったりしがちな授業が多いようにも思われます。

ロースクールの授業の具体的な内容がこのように学生が疑問に思うような内容なのですから,「プロセス教育だから」というような抽象的な理由で,ロースクール制度を肯定することはできないでしょう。