タダスケの日記

ある弁護士の司法制度改革観察記録

夜間コースの開設(福岡大学法科大学院)

「まともな判断力のある社会人が,オワコンのロースクールに5年も通うわけないだろ,いい加減にしろ」という冗談はさておき。

夜間コースの開設について

この度、福岡大学法科大学院は、平成 28 年度より、長期在学履修制度(履修期間・5 年)を 利用して、平日 6 限目および土曜日に開講される授業を履修し単位を修得することにより課程 を修了することができる、夜間コースを開設することとなりました。

これは、「健全な社会の発展に寄与する判断力、行動力を備えた多様な人材を法曹として養 成するため、地域社会で活躍できる社会人に対しても法曹教育の機会を提供する」という趣旨 から、九州では初めての夜間コースを開設するというものです。

法科大学院は、現在、月曜日から金曜日の 1 限目から 5 限目(9:00~17:50)で授業を実 施しておりますが、次年度以降は、夜間コースの開設にともない、夜間コース以外の学生にも 6 限目(18:30~20:00 の予定)および土曜日の授業を履修することができるよう計画しております。

法科大学院は、法曹養成機関の中核としての社会的使命を引き続き果たしてまいりたいと 考えております。法曹になるという高い志をお持ちの社会人の方々、本法科大学院においてチ ャレンジしてみませんか。本法科大学院はそのような方々を心よりお待ちしております。

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福岡大学法科大学院
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授業は18:30からのようですが,勤務時間が18:00までの勤務であれば,授業開始までわずか30分ですから,残業0分で終業時間ジャストに会社を飛び出したとしても移動時間だけになりそうです。

また18:30からの授業の予習復習はいつするのでしょうか。
20:00の授業終了後,例えば22:00くらいまで2時間と,土日になるでしょうか。
土曜日も授業があるそうですが。
(勤務が,就業時間が9:00〜18:00,土日祝日休みを想定)

不可能ではないですが,仕事とローの授業,予習復習以外に,何もできない生活になるでしょう。
家族がいない独身者で,ストイックに勉強だけに数年を捧げてよいという人だけが可能な生活です。
これが5年続くというのは,かなりシビアだと思うのですが。

これだけの生活をして,試験とも実務とも関係のない一般教養科目をやらされるのですから,まともな人はやっていられないのではないでしょうか。

これくらい,ローにエネルギーと時間をかけられるのなら,予備試験を目指した方が,本試験の合格確率,費用面,就職対策から見て良さそうです。

まして,入学しようとするのが,いつ潰れるか分からないような地方ローであれば,なおさらでしょう。

今日の結論

社会人であれば,法曹を志すとしても,リスクの高い地方ローには避けて予備試験を目指しましょう。

(冒頭の冗談とあまり変わらなかった)