タダスケの日記

ある弁護士の司法制度改革観察記録

Google トレンドに見る法科大学院の勃興と衰退

世界史の教科書の章見出しにありそうなタイトルですが,Googleトレンドで検索数の推移を見てみたという話です。


ちなみにGoogleトレンドとは,ある単語の検索数の推移をグラフで示してくれるツールで,世の中のニーズの移り変わりを知るために,webマーケティングなどで使ったりするものです。

概要
Google Trendsでは、入力した単語の検索数をグラフで示してくれる。このときその単語に関連したニュースを見る事ができ、特に検索数が多いときに何があったのかが分かるようになっている。特定の国、期間に絞ったグラフを見ることもでき、また世界中の都市や国、言語毎にどこでの検索が最も多いのかのランキングも提供される。さらにコンマで区切ることにより複数の単語のグラフを比較することも可能である。

wiki
Google_Trends
http://ja.wikipedia.org/wiki/Google_Trends



スクリーンショットを貼るといいのでしょうけれど,面倒でしたので,urlのみをコピペします。
ですので,感想は,2014/7/13現在のグラフを前提としています。

適性試験

適性試験
https://www.google.co.jp/trends/explore#q=%E9%81%A9%E6%80%A7%E8%A9%A6%E9%A8%93

こちらは季節物ですので,毎年6月にピークを迎えていますが,その山の大きさが毎年低くなっています。
順調に減っており,なによりです。

予備試験

予備試験
https://www.google.co.jp/trends/explore#q=%E4%BA%88%E5%82%99%E8%A9%A6%E9%A8%93

こちらは徐々に増加しています。
しかし,「だから予備試験が法科大学院ルートから学生を奪っている」と結論付けるのは早計です。

ロースクール経由で弁護士になることはリスキーだが,
予備試験経由で弁護士になることには,まだ魅力がある,
と市場が評価しているから,適性試験出願者が減って,予備試験出願者が増えていると思われます。


ロースクール
経済的条件など,弁護士になることの期待値 < 弁護士になるためのリスク,負担(高コスト)

・予備試験
経済的条件など,弁護士になることの期待値 > 弁護士になるためのリスク,負担(低コスト)


予備試験ルートを制限したとしても,ロースクール自体の不採算性が解消されない限り,必ずしも人がロースクールへ流れることにはならないように思われます。

個別の法科大学院

早稲田法科大学院
https://www.google.co.jp/trends/explore#q=%E6%97%A9%E7%A8%B2%E7%94%B0%E6%B3%95%E7%A7%91%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%99%A2

やはり検索数の減少が見られます。

中央大学法科大学院
https://www.google.co.jp/trends/explore#q=%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E6%B3%95%E7%A7%91%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%99%A2

「現状が放置されるなら撤退も辞さない」と,『ウエシマ作戦』のような発言をして皆に「どうぞどうぞ」と言わせたいのかヲチャーを悩ませた大貫裕之教授の中央大学法科大学院ですが,こちらも順調に撤退への道を進んでおります。

予備試験の人気過熱、志願者数が逆転
2014/6/17付日本経済新聞 朝刊
http://www.nikkei.com/article/DGKDASDG1201Q_S4A610C1EA1000/

伊藤塾

伊藤塾
https://www.google.co.jp/trends/explore#q=%E4%BC%8A%E8%97%A4%E5%A1%BE

巻き添えを食ったのかこちらも減少しています。

参考記事

法曹人口:適正化へ 法的ニーズをアンケート
毎日新聞 2014年07月05日 15時00分(最終更新 07月05日 15時40分)
http://mainichi.jp/select/news/20140705k0000e040227000c.html