タダスケの日記

ある弁護士の司法制度改革観察記録

法科大学院特別委員会(第65回)

法科大学院特別委員会(第65回) 配付資料
平成26年9月19日(金曜日) 10時30分〜12時30分
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/012/siryo/1352164.htm

資料3­-3 平成26司法試験法科大学院等別合格者数等(合格率順) (PDF:70KB)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/012/siryo/__icsFiles/afieldfile/2014/09/24/1352164_4.pdf

太田「今年の司法試験の合格が発表されました。合格率トップは「予備試験合格者」」
田中「3年連続ですね」
太田「予備試験合格者法科大学院っていうのは、どこにあるんですか?」
田中「そんな法科大学院はないよ!っていうかわざとらしいよ!まあ、予備試験は、有識者会議では「抜け道」として問題視されてるけどね。」
太田「2位が京都大学法科大学院、3位が東京大学法科大学院、こちらも「抜け道」として問題視されているんだってね。」
田中「そっちは正当な法科大学院だよ!問題視されてないよ!」
太田「分かりにくいですね〜」
田中「分かりにくくないよ!分かりにくいのは、お前のボケだよ!」


太田「でも、なんで予備試験合格者ローは、そんなに優秀なんだろうね?」
田中「予備試験合格者ね。いろいろな要因はあるんだろうけど、そもそも予備試験自体が狭き門だから、合格者は優秀な人が多いんだろうね。」
太田「じゃあ、他の法科大学院もマネをすればいいんじゃないですか?」
田中「マネって、どういうふうに?」
太田「入学希望者のうち、数%しか入学させない。」
田中「学生が極端に少なくなるかもしれないけど、優秀な学生ばかりにはなりそうだね。」
太田「ロースクールの授業はやらない。学生は自習するか、予備校へ行く。」
田中「ロースクールの意味がないよ!」
太田「それくらいやらないと、予備試験組には対抗できないですから。」
田中「プロセス教育に対しての脱法行為だよ!」
太田「目には目を。抜け道には脱法行為を。」
田中「無理矢理うまいことを言おうとしなくていいよ!」
太田「法の光で社会をあまねく照らして、法の支配を貫徹するためには妥協は許されないのです!」
田中「社会の前に、お前の遵法意識の低さをまずなんとかしろよ!」
太田「まあ、京大ローも東大ローも同じようなことをしてるでしょうね。」
田中「してないよ!勝手に決めつけるなよ!」



太田「法曹志望者にとっても、予備試験の人気は高いらしいですね。」
田中「就職にも有利らしいからね。」
太田「モグリの天才外科医ブラックジャックみたいに、大金を稼げるらしいね。」
田中「抜け道って言っても違法じゃないから、ブラックジャックとは違うよ!」
太田「崖の上の家に事務所を構えて、他の弁護士は引き受けないような難しい事件の依頼を受けて、ピノコっていう女の子の事務員がいて困ったことがあると「アッチョンブリケ」って言ったりして。」
田中「だからブラックジャックから離れろよ!司法試験を受けて合格したら、ロースクール修了生と基本的には同じだよ!」



太田「有識者会議では、ロースクール出身の若手弁護士を招いて、ロースクールの優れた点について聴取をしたらしいね。」
田中「ロースクールでプロセス教育を受けた当事者だからね。」
太田「でも、せっかく呼んだのにロースクールのことを良く言ってくれない弁護士も多くて、何回もチェンジしたらしいよ。」
田中「そんな事実はないよ!っていうか、チェンジってデリヘルみたいな言い方やめろよ!」
太田「しかし、ロースクール関係者の委員ばかりで、公正な話し合いができるとは思えないけどね。」
田中「確かに、予備試験の制限で議論が盛り上がっているけど、ロースクール制度の根本的問題から目をそらそうとしてるとしか思えないね。」
太田「そんな彼らに私はガツンと言ってやりたい。」
田中「昔CMでそんなセリフがあったね。」
太田「お前らみんなチェンジだ!」
田中「だから何でデリヘルみたいな言い方なんだよ!交代しろって言えばいいだろ!」



太田「今後は司法試験の累積合格率7〜8割を目指すらしいね。」
田中「有識者会議の資料にも明記されてるね。」
太田「受験回数制限が5年3回から5年5回になったから、ロースクール卒業後5年経てば計算上…」
田中「大半の人は弁護士になってることになるね。」
太田「10人に2〜3人は受験資格を失い法曹以外の道を目指さざるを得ないことになるね。」
田中「まあ間違ってないけど、やな言い方するね。」
太田「これなら社会人も今の職を投げ打ってでも弁護士を目指したくなるね!」
田中「ならねぇよ!嫌味かよ!リスクが高すぎるよ!」
太田「しかも借金1000万を抱えている。」
田中「学費と生活費、それから借金以外にも無職期間の逸失利益もバカにならないね。」
太田「あ、不合格なら修習中の借金約300万はかからないから、借金は700万だね。」
田中「仮想の計算なのに、細かいんだね。」
太田「僕は理系なんで、計算にはうるさいんですよ。文系と違って理系なんで、将来のリスク要因を想定するから、愚かな需要見通しによりかかって制度設計なんてしませんし、文系と違って理系なんで、設立するロースクール数と学生数を計算すれば司法試験合格率、合格者数も計算できるからロースクールの乱立なんかさせませんし。」
田中「遠回しに文系をバカにしてるように聞こえるんだけど!」
太田「アホウ学部なんて、考えたこともないね。」
田中「絶対考えてるだろ!」

太田「でも、合格しなかった元学生の進路は問題ですよね。」
田中「合格率7〜8割という触れ込みで学生を募集した結果だからね。」
太田「振り逃げ法務博士って言うらしいね。」
田中「三振法務博士ね!」
太田「え、三振した後に新たな進路へ向けて出塁していこう、って話だろ。」
田中「言いたいことは分かるけど、慣用句だからそこまでリアルに考えなくいいんだよ!」
太田「三振法務博士が企業からひっぱりだこだって情報もあるよ。」
田中「某推進派有名弁護士のあれね。まあ、あれはポジショントークだから真に受けなくてもいいんじゃないかな……」
太田「外野が1人しかいないから、是非チームに入ってくれというオファーが殺到してるんだってよ。」
田中「そういうポジションじゃねぇよ!っていうかどこの草野球チームだよ!いいかげんにしろ!」