タダスケの日記

ある弁護士の司法制度改革観察記録

「「多様な司法」実現へ構想を練り直せ」日経2012/9/18

しかし、司法改革が目指した身近で利用しやすい「多様な司法」はいまだ実現していない。実態に合わせて理念を取り下げるような「合格者数の削減ありき」の議論ではなく、どうすれば本来の司法改革が実現できるかを考え、原点から構想を練り直すべきだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO46239190Y2A910C1PE8000/

意味がよく分からない文章ですねえ・・・
「原点から構想を練り直すべきだ」とゼロからのスタートを強調する一方で,「合格者数の削減」には絶対にノーだという,どっちやねん,的な。
最初から方向性を決めてるじゃん,ゼロからじゃないじゃん,ベースとなる思想があるじゃん,的な。


こんな感じだと,意味が通るのではないでしょうか。

司法改革が目指した身近で利用しやすい「多様な司法」はいまだ実現していない。
実態に合わせて理念を取り下げるような「合格者数の削減ありき」の議論ではなく、
どうすれば本来の司法改革が実現できるかを考え、原点から構想を練り直すべきだ。
司法改革の実現という究極の目的達成のためには,合格者数の削減を含め,タブーを排除し,様々な選択肢をゼロベースで検討すべきだ。


あえて記者の意思を忖度すると,この記事の前提として,「弁護士の増員が,司法改革の実現に役立つ」ということがあるようですが,その前提が間違っているんじゃないでしょうか。
むしろ逆に,弁護士の増員が,司法改革の実現などに役立たないことが明らかになりつつある(一方,その弊害が非常に大きい)からこそ,増員反対の運動が起きているのでしょう。


このような新聞社は,社内弁護士を雇用して,記事のチェックをさせたらいいのではないでしょうか。
合格率2割の難関を通った能力の高い弁護士が,記事の論理性の誤りをチェックしてくれることと思います。
新聞社は,誤った記事で世論を誤導することがなくなり,さらに就職難の弁護士にとっては就職先が増える,ということで,皆がハッピーな社会に一歩近づくことでしょう。