タダスケの日記

ある弁護士の司法制度改革観察記録

「4法科大学院の補助金削減へ 司法試験合格率低迷で」

文部科学省は11日の司法試験の結果を受け、合格実績が振るわなかった島根大などの法科大学院4校に対する2013年度の補助金を削減する方針を決めた。同省は14年度から入学者が定員の半分に満たない大学院も削減対象に加えることを決めており、統廃合が加速しそうだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXDASDG1103U_R10C12A9CR8000/

弥縫策に走ったか・・・という感じです。

弁護士数がどうなるか,需要と供給がどうなるのか,数字も見積もらずに司法改革を進めていましたが,この「弥縫策」により,何校減らせばどの程度,需要と供給のバランスが回復するのか,これをやっている人は,数字を見てやっているのでしょうか?

一旦,市場に出してから,採算に合わないから潰すっていうのは,ロスが大きいんですよねー。

考えてみると,これはこの数年で司法試験に合格させた弁護士にも同じことが言えます。

仕事がないのに弁護士を増やして,市場で淘汰させるって,ロスが大きいです。
個人であれば,人生を狂わせます。

設立するにしても増やすにしても,始めから数字を計算して,数を決めればいいんですけどね。
その計算に,数十時間を費やしたとしても,後に生じる数十億のコストを回避できるなら,十分にペイするでしょう。

下位ロースクールが淘汰され,「定評のある法科大学院」だけが生き残ったとき,司法試験に関する状況がどうなっているかが見ものです。

こうなっても,さらに抜本的に改革しなければ制度が立ちゆかない,ということになったとしたら,今回の「弥縫策」をかました分,さらに時間的,費用的なロスになるんですが。

仮にそうなったときに,誰が責任を取るんでしょうかねぇ・・・