タダスケの日記

ある弁護士の司法制度改革観察記録

弁護士の収入(経費を控除する前の金額)と大卒の給与を比べて,弁護士は十分な収入を得ていると回答する文部科学省

以下の資料の最後のQ&Aに書いてありました。

法科大学院Q&A (PDF:1216KB)
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/houka/__icsFiles/afieldfile/2017/03/21/1383386_3.pdf

法科大学院がひらく 新しい法曹のカタチ:文部科学省
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/houka/1383386.htm

PDFにテキストが埋め込まれていないので,手入力しました。
(ただし,赤字,青字はポイントの指摘のためブログ主がつけました。)

Q 弁護士になっても収入が少ないと聞きましたが,本当ですか?

A 大学・大学院卒者の平均給与に比べて,十分な収入を得ています。

平成27年分の弁護士の経験年数別収入(中央値)によると,弁護士1年目の収入は543万円。
弁護士5年目の収入は1,081万円になっています

平成27年の大学・大学院卒男女の平均給与
勤務年数0年(1年目) : 328万円
勤務年数10〜14年 :608万円

平成27年賃金構造基本統計調査(第2表)より)
※給与は,所定内給与額(残業手当を含まない)×12月+年間賞与その他特別給与額により算出(万未満四捨五入)

弁護士の経験年数別の収入(中央値)(平成27年分)

(グラフ略)

法務省調べ)
(法曹養成制度改革連絡評議会(第4回)資料より文部科学省作成)

※収入 : 収入は,経費を控除する前の金額を指します。

( ゚д゚) 収入?…まさか経費控除前の弁護士の売上と,サラリーマンの給与額を比べてないよね…?

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚д゚) 見間違いじゃないよな?

(つд⊂)ゴシゴシ
  _, ._
(;゚ Д゚)詐欺じゃん!

(ブログ主が回答する)その他のQ&A

Q 法科大学院修了生の司法試験合格率が低いと聞きますが,本当ですか?

A 中途退学率も低くはないので,司法試験合格率が低いだけでなく,無事にロースクールを卒業できる確率が決して100%ではないことにも注意が必要です。

Q 法科大学院の魅力は何ですか?また,法科大学院修了生は就職先でどのように評価されているのですか?

A 社会では予備試験合格者が優遇されています。ここから考えると,法科大学院を修了したことは評価されていないでしょう。


Q 法科大学院へ進学するのに授業料が不安です…

A そうですよね…


Q 法科大学院への進学を考えています。より早く法科大学院に進学することはできないのでしょうか?

A 法科大学院への進学を考えている,という前提が間違っています。早く法曹になって活躍するためには,予備試験を目指すべきでしょう。


Q 司法試験に合格しても就職先がないと聞きますが,本当ですか?

A 弁護士としての仕事がなくても,即独のような形で弁護士登録をしているケースもあります。弁護士登録イコール就職と考えるのは早計でしょう。


Q 弁護士になっても収入が少ないと聞きましたが,本当ですか?

弁護士の需要(仕事)と供給(弁護士数)と,アダムスミスが「国富論」で提唱した「見えざる手」を合わせて考えれば,答えはおのずから明らかでしょう。