タダスケの日記

ある弁護士の司法制度改革観察記録

地球最後のロースクール(横浜国立大法科大学院の募集停止)

2000年代から2010年代、旧司法試験を廃止に追いやった後に,法曹志願者を激減させた法科大学院制度が、日本中に蔓延した。経営難から多くのロースクールが滅びる中、生き残った数少ないロースクールは、学生が激減し閑散とした教室の中で,孤独感に苦しみながら、新聞各社と癒着しては,志願者減少の原因は司法試験合格率の低さであるとデマを流したり、法曹コース創設という弥縫策を実施したりと、入学者増加の方法を研究し続けるのだった。

そんなある日、ロースクールは,太陽のように明るく活発な女性を発見し、ロースクールに引きずり込むように入学させる。その女性はやがて自分が隠れ予備試験受験者であること、そしてロースクールに法曹養成課程から撤退するように告げて,予備試験の合格発表日以降,突如消息を断つが、ロースクールは,結局,法曹養成課程に留まり続ける。

そしてある夜、暴徒のような入学者減少の波が首都圏をも襲撃し、周囲に集っていた地方ロースクールを殺戮した上、抵抗する横浜国立大法科大学院を痛めつけて連行する。

そして横浜国立大法科大学院は、周囲の国民が,処刑されようとする自分を見る目に恐怖が宿っていること、そして国民にとって、自分こそが、弁護士の経済的価値と職業的魅力を激減させまくる伝説の怪物(Legend)であることに気づくのだった。

横浜国立大:法科大学院の募集停止 19年度から - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20180606/k00/00m/040/133000c

地球最後の男 - Wikipedia

あらすじ
1970年代、人間を死に追いやった後に吸血鬼として甦らせる吸血ウイルスが、世界中に蔓延した。人類が滅びる中、ただ一人生き残ったロバート・ネヴィルは、夜な夜な自分の家の周囲に集い、騒ぎ立てる吸血鬼たちと孤独感に苦しみながら、昼間は眠る吸血鬼たちを狩り出して杭を打ち込みながら、生活必需品の確保と、吸血鬼退治の方法を研究し続けるのだった。

そんなある日、ネヴィルは太陽の下で活動する女性を発見し、自宅に引きずり込む。ルースと名乗る女はやがて自分がスパイであること、そしてネヴィルにこの場所から逃げるように告げて姿を消すが、ネヴィルは結局自宅に留まり続ける。

そしてある夜、暴走族のような集団がネヴィル邸を襲撃し、周囲に集っていた吸血鬼たちを殺戮し、抵抗するネヴィルを痛めつけて連行する。彼らは吸血ウイルスに冒されながらも生き残り、新たなコミュニティを形成する「新人類」であった。

そしてネヴィルは、彼らが処刑されようとする自分を見る目に恐怖が宿っていること、そして彼らにとって、自分こそが「人々」が寝静まった頃に街を徘徊し、「人々」を殺戮しまくる伝説の怪物(Legend)であることに気づくのだった。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E6%9C%80%E5%BE%8C%E3%81%AE%E7%94%B7

「若者は法科大学院へ行くな」法科大学院のメッセージに「泣きそうになった」と反響

若者は法科大学院へ行くな,

という時代になった。やれプロセスによる教育だったり,やれ訴訟業務にとらわれない弁護士の業務範囲の拡大だったり,時代が変わる,というけれど,いちばん変わったのは弁護士の経済的価値の低下による職業的魅力の暴落かもしれない。
いま,優秀な若者の目の前には,いくつもの選択肢が広がっている。
その分,「法学部に入ったからには弁護士を目指そう」,という時代ではなくなり,若者たちは,あたらしい魅力的な職業に直面する時代になっている。
「合格しても就職口がない,年収は300万円だ」,その不確かな不安を回避し,自分の人生を謳歌するためには,若者たちは,弁護士志望を避けることができる。
この経済的合理性から見たごくあたりまえの選択を,どうか忘れずに。いのちだいじに。

若者たちがまだ,ローの態勢が詐欺的であることを知らないと,ローは詐欺既遂になってしまうのでやむなく告知します。

元ネタ

「女は大学に行くな、」―― 神戸女学院大学のメッセージに「泣きそうになった」と反響 胸を打つ広告はいかにして生まれたか - ねとらぼ
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1804/06/news147.html

有識者会議が弁護士の経済的価値の低下に無関心なことが法曹志願者激減の最大の原因

法科大学院等特別委員会の議事録が公開されていました。

法科大学院等特別委員会(第80回) 議事録:文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/041/gijiroku/1403212.htm

井上委員「法曹志願者減少の最大の原因は,司法試験が難関であること」

【井上座長】

ただ,我々としてできることは限られており,その結果,どうしても後手後手に回ってしまって,志望者がどんどん減っていく。法科大学院として集めたくないわけではなく,集めようと努力してきたにも拘わらず,学生の方が志望してこなくなってきているというのが実情なのですね。それはなぜかといいますと,様々な原因があるのでしょうが,やはり最も大きいのは司法試験が難関であることであって,特に法学部出身でない学生がその難関を突破することがますます難しくなっており,それが更に志望者の減につながっていっている。つまり,そのような状況では,特に社会人の方とか,いろいろなバックグラウンドの人たちも,法科大学院に入ってからの確固としたキャリアプランが描けないわけで,そういうところにリスクを冒して入ってきてくれるかというと,それはかなり無理な話になっている。そういう構造的な問題点をどうにかして変えていかない限り,問題は解消しないのですけれど,その点で私たちとしてできることには限界があって,そこを崩せないでいる。

井上委員は,会議の発言の中で,法曹志願者減少の最大の原因は,司法試験が難関であることである,との認識を示しました。

難関である,ということは,司法試験の合格率が低く狭き門であり,合格者が多数輩出されない,ということなのでしょう。

そして,特に社会人にとっては,「法科大学院に入ってからの確固としたキャリアプランが描けない」,つまり,現職を投げ捨ててロースクールに入学しても,合格して弁護士になれる見込みが不透明であって,そうした状況では,不合格リスクを冒して入学してくれないだろう,と問題点を指摘しています。

しかし,これは間違いだと思います。

よくある反論ですが,旧司法試験のときは,合格率は3%程度でしたが,5万人を超える多数の志願者を集めていました。
「合格率が低く,キャリアプランが描けない」のであれば,旧司法試験でも,そのあまりの難関さのため,志願者の減少が問題となりそうですが,そうした事実はありません。このことを,井上委員はどう説明するのでしょうか。

法科大学院離れの最大の要因は、司法試験合格率の低迷だ」2014/4/19付日本経済新聞 - タダスケの日記
http://d.hatena.ne.jp/tadasukeneko/20140419/1397923127

法曹志願者減少の最大の原因は,弁護士の経済的価値が低下し,弁護士資格が不合理に高い買い物となったこと

法曹志願者減少の原因は,単純な話で,数千万もかけて年収300万の資格なんて買いたくない,ということだと思うのです。

法科大学院に進学することは、2000万円から2億円に相当する金銭的な機会損失を背負うことを賭けた、人間の人生を賭けた大勝負だと思います。 - Yahoo!知恵袋
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12107977267

法科大学院に進学するとかかる経済的負担 - タダスケの日記
http://d.hatena.ne.jp/tadasukeneko/20160324/1458833255

弁護士資格の取得コストは,いろいろな算定方法があると思いますが,数千万と算定してもそれほど誤りではないでしょう。

それが,弁護士の仕事が増えない一方で,弁護士数だけが激増したため,弁護士のインフレ化を招き,その収入が激減したのです。

数千万をかけて300万円の年収,そんな資格を一体誰が取得したいと思うだろうか(反語表現)。

ワイが司法制度改革の失敗を簡単に解説するスレ - タダスケの日記

13: 名無しさん@おーぷん 2016/01/09(土)22:13:04 id:DSh
合格者=500人だった時代のこととか学校で習ったやろ?
計算的には固定500人時代の弁護士が毎年500人ずつ引退するのに対して,例えば2000人の合格者を出すって言うのは、毎年1500人の激増により弁護士のインフレ化が進むということなんや

18: 名無しさん@おーぷん 2016/01/09(土)22:15:32 ID:5m0
弁護士の経済的価値が低下した云々ってやつか

19: 名無しさん@おーぷん 2016/01/09(土)22:17:30 id:DSh
>>18
まさにそれやで!

法曹志願者の減少にはいろんな要因があるんやが、そのうちの重要な一つに「コストパフォーマンス」があるんや!
例を挙げて説明するで

普通に企業に就職したら年収300万
ロースクールと修習に逝って,4〜10年勉強漬けになって,借金まみれになって年収300万

こういう状況なら、頭のいい人は「普通に就職した方が100倍いいやんけ!せや、弁護士になるなんてやめたろ!」ってなるわな

経済学になじみのない人にとってはようわからんかもしれんが、資格取得後の見込み収入と言うのは重要なんや
見込み収入が高ければ「もっと借金して自分に投資して勉強したろ!」って若者が増えるし
見込み収入が安ければ「借金してまで自己投資なんてできへん....」って若者が増える
つまり見込み収入はそのままロースクール人気に直結するんや!

また当然ロースクールに入学すると$を使わなあかん,経済的負担になる
やからみんなロースクールを嫌がるんや!
こうなるとロースクールが不人気になるから,どうしても弁護士になりたい人には予備試験が人気になるやで

http://d.hatena.ne.jp/tadasukeneko/20160114/1452788742

弁護士の経済的価値の低下を決して直視しない有識者会議

弁護士の経済的価値の低下については,有識者会議においても,和田委員がすでに2012年に指摘しています。

「弁護士という職業の経済的な価値」2012/9/18法曹養成制度検討会議 和田委員意見より - タダスケの日記
http://d.hatena.ne.jp/tadasukeneko/20120929/1348920375

2 意見の理由
(2) 現状の分析
司法修習修了者の就職難は、弁護士という職業の経済的な価値が急速にしかも大きく低下してきていることを意味している。とくに会社員や公務員等の職にある人は、今の職による収入を失ってまで弁護士を目指そうとは思わなくなってきており、大学生も、将来の安定した職業として選択しなくなりつつある弁護士という職業の経済的な価値の低下が志願者が激減した理由の1つであることは、間違いないと思われる

これに対して、司法試験の合格率が低いから志願者が集まらないと言われることもある。しかし、では合格率を上げれば志願者が増えるかというと、もし司法試験の合格率を上げるために合格者を増やした場合には、弁護士という職業の経済的な価値がさらに低下して、結局志願者がさらに減少するに至ると思われる。これは、通貨の量を需要以上に増やすと通貨の価値が下がるというインフレと同様に、弁護士の数も増やしすぎたために経済的な価値が下がり、他の職業との比較でなりたい職業とは思われなくなりつつある、ということである。司法試験の合格率を上げれば志願者が集まるという主張は、弁護士という職業の経済的価値はいかに数を増やしても低下しないという、経済原則を無視した考え方であるように思われる。

http://www.moj.go.jp/content/000102270.pdf

これほど明快な考察がすでに6年前にされている関わらず,この「弁護士の経済的価値低下説」(弁護士インフレ説)は無視され続けています。

それどころか,「弁護士の経済的価値低下説」からすれば,法曹志願者のさらなる減少を帰結する,合格者の増加,または維持が真顔で主張される有様です。

合格者を抑制すると,ロースクールが十分な入学者を確保できず,その経営が困難になるため,合格者の増員を主張せざるを得ないのでしょう。

こうした,弁護士のインフレに対して,有識者会議が真剣に取り上げ議論していれば,数年のうちに,弁護士の経済的価値を維持する政策が行われることが期待され,そうした状況を見た潜在的法曹志願者も,法曹の道へ進んでくれるかもしれません。

しかし現状では,有識者会議は,弁護士インフレ説を徹底的に無視しており,この先10年,20年と弁護士の過剰供給によるインフレ状況が進む一方になると思われます。

そんな先のない業界に,選択肢が多い若くて優秀な人材が,入ってくると思えるでしょうか(反語表現)。


司法制度改革の悪循環 - タダスケの日記
http://d.hatena.ne.jp/tadasukeneko/20151210/1449702147

ロースクールエスト2〜悪霊の法学者たち〜 - タダスケの日記

目を覚ますと,経営難のため沈みゆくロースクールの一室に,あなたは倒れていた。
次へ

君はどうする?

司法試験合格者をさらに増やす

司法試験合格者を増やして,合格率を上げれば,法曹志願者が回復するかもしれない。

しかし,弁護士を激増させると,インフレ化により弁護士の経済的価値が下がり,法曹志願者が減少するというジレンマに直面した。

弁護士激増をごり押しする

弁護士のインフレ化がさらに進んだ。新人弁護士の就職難が話題になっている。

迷走する法曹人口問題に対して,国民は呆れている。
(法曹志願者数-5000人)

http://d.hatena.ne.jp/tadasukeneko/20180318/1521382126

ロースクールエスト2〜悪霊の法学者たち〜
https://writer.inklestudios.com/stories/x8wf

おまけ 「5年一貫コース」について

今回の議事録を見ると,学部3年+ロー2年の「5年一貫コース」が,時間的負担軽減の改善策として議論されています。

しかし,そもそも本質が,数千万のコストをかけて,年収300万の資格を買いたくない,という話なので,たかだか6年が5年になって1年短縮しても,大きく改善するとは到底思えません。

しかも,5年コースということは,要するに学部の早い時点で法曹を目指すという「決め打ち」を強いられるわけです。

【大月専門職大学院室長】

そもそも「5年一貫コース」となれば,学生には,3年次のときに決断を頂くというよりは,2年次,早ければ1年次から周知していただく必要があるかなと思っております

しかし,実態として,学部3年くらいから法曹に興味を持ち出すことも不自然ではないので,そうした学生のコースへの編入が問題となります。委員から,そうした指摘もありました。

【大貫委員】

例えば法学部に入って3年ぐらいになってから,よし,法曹になろうというのは結構いたりするわけです。そういう人たちがうまくこの法曹養成コースにのるというんだったらいいんですけれども,余りタイトに作ると,最初からもう決まっていますから,なかなか途中参入ができないということになってしまいます。それではいけないのではないかという気がします。

また,「コースに途中から入る」問題とは別に,「コースに途中から出る」という問題もあると思います。
つまり,1年から法曹を目指すと「決め打ち」をして履修していたけれど,やはり合わないと感じて法曹コースをやめるとなった場合に,どういった取扱いになるのか,という問題です。

「5年一貫コース」は,随分と持ち上げられていますが,メリットが小さい割には解決しなければならない問題点が多く,いつものように弥縫策に終わるような気がします。

また,「5年一貫コース」で感じるのは,今まで戦力としてみなしてこなかった学部を,ロースクールが苦戦しているので,新たに戦力としてカウントして考えようという,戦時中の学徒動員に似た話だと思います。

太平洋戦争では,日米の圧倒的な国力差により,そもそも勝つことは非常に厳しく,戦況の悪化により学徒動員による非戦闘員の戦力化を考えざるを得なくなるまでに追い詰められました。

「5年一貫コース」についても,なぜ,「非戦闘員」であった学部の戦力化を考えざるを得なくなるまで追い詰められているのか,を考えるべきです。
それは,弁護士の激増により,若い人から見て法曹資格のコストパフォーマンスが圧倒的に悪化したからであり,この本質の改善を考えなければ,小手先の工夫をしたところで事態の改善には向かわないであろうと思います。

法科大学院等特別委員会の議事録公開

議事録が公開されているようです。
後に見てみます。

法科大学院等特別委員会 議事要旨・議事録・配付資料:文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/041/giji_list/index.htm

法科大学院特別委員会の前身の法科大学院特別委員会ですが,こちらの議事録も,もしかしたら新たにアップされたものがあるかもしれません。

法科大学院特別委員会 議事要旨・議事録・配付資料:文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/012/giji_list/index.htm

ロースクールクエスト2〜悪霊の法学者たち〜

ゲームブック風に法曹志願者の回復を目指すロースクール関係者の政策を体験するゲームです。

www.inklewriter.com

法曹志願者減少が20000人に達すると,バッドエンドになります。
ハッピーエンドが1種類あります。

右上にある「start again」をクリックすると,再度,新しくゲームを始めることができます。

「予備試験受験者を取り込む」というネタも考えましたが,割愛しました。

択一を7科目から3科目にしたこと,三振制から五振制にしたことなどのネタも割愛しました。

あくまでネタですので,生暖かく見守って頂けると幸いです。

ドラゴンクエストII 悪霊の神々 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%B4%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%88II_%E6%82%AA%E9%9C%8A%E3%81%AE%E7%A5%9E%E3%80%85

沈みゆく豪華客船からの脱出 | 東京ミステリーサーカス
https://mysterycircus.jp/rene/

ロースクールエスト - タダスケの日記
http://d.hatena.ne.jp/tadasukeneko/20160302/1456938966

司法制度改革をエバァタイトル風に語る

ロースクール襲来


(第壱話 使徒、襲来)

2004年4の月,大いなる災厄が日本の法曹界に降臨した。

底見えぬ志願者減少


(第弐話 見知らぬ、天井)

海は枯れ、地は裂け、全ての法曹志願者が死滅したかのように見えた。だが、法曹志願者は死滅していなかった。

増えない入学者


(第参話 鳴らない、電話)

三振制を五振制に変えても,択一の科目を7科目から3科目に減らしても,給費制を給付制として一部復活させても,法曹志願者は回復しなかった。

心の貧困の向こうに


(第伍話 レイ、心のむこうに)

なお,懐が貧困になった青学は廃校となりました。

学院長の手記(青学、立教、桐蔭横浜...法科大学院の募集停止相次ぐ : J-CASTニュース) - タダスケの日記
http://d.hatena.ne.jp/tadasukeneko/20170605/1496663856

廃止したローの中で


(第拾壱話 静止した闇の中で)

まだ司法試験合格を目指して,図書館などで頑張っている修了生がいらっしゃるかもしれません。

弁護士の経済的価値は


(第拾弐話 奇跡の価値は)

不合格リスクを取りながら,何年もプライベートの生活がなくなるくらい勉強して,年収300万でその収入も不安定あれば,初めから給料を頂ける公務員,会社員になった方が合理的でしょう。

法科大学院に進学するとかかる経済的負担 - タダスケの日記
http://d.hatena.ne.jp/tadasukeneko/20160324/1458833255

詐欺と詐欺的


(第拾伍話 嘘と沈黙)

?「ロースクールは詐欺未遂(5年以下の懲役)です!」

詐欺で訴えられる米ロースクールと詐欺未遂の日本のロースクール - タダスケの日記
http://d.hatena.ne.jp/tadasukeneko/20160316/1458137982

ロースクールに対して怒れる十二人の男 - タダスケの日記
http://d.hatena.ne.jp/tadasukeneko/20131020/1382270653

二千二百九番目の合格者


(第拾七話 四人目の適格者)

平成20年の最大合格者数です。

司法試験合格者数の推移
http://www.soumu.go.jp/main_content/000077365.pdf

経済的合理性ある選択を


(第拾八話 命の選択を)

将来有為の若者には,合理的な進路選択をして頂きたいものです。

LLセブン誕生


(第弐拾壱話 ネルフ、誕生)

S「(法曹志願者は9割減ったけど)まだあわてるような時間じゃない」

仙道的法科大学院(sl7) - タダスケの日記
http://d.hatena.ne.jp/tadasukeneko/20170802/1501675135

せめて人間らしく(月13万5千円の給付を)


(第弐拾弐話 せめて、人間らしく)

無給で1年拘束するなど,クレージーとしか思えません。

元ネタ

EVAタイトル集
http://akiba.geocities.jp/sh901isblue/eva_title.html

新世紀エヴァンゲリオン 各話タイトルとサブタイトル
http://memory-of-eva.com/plot.html

エヴァンゲリオン サブタイトル風ロゴ-つぶデコ テンプレートとAmazon通販購入
http://generator.tubudeco.com/g472/

こちらのサイトで画像を作成させて頂きました。ありがとうございました。

予備試験受験者の取り込みを画策する法科大学院(法科大学院等特別委員会(第84回))

以下の資料に書いてありました。

法科大学院等特別委員会(第84回) 配付資料:文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/041/siryo/1401206.htm

【資料2】これまでの法科大学院等特別委員会における委員の主な御意見 (PDF:179KB) PDF
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/041/siryo/__icsFiles/afieldfile/2018/02/07/1401206_002_1.pdf

予備試験受験者の取り込み

p3
○ 今後既修は3+2や4+2のいずれであれ一貫コースに移行するだろうが、予備試験を受験する者をいきなり取り込むことはできず、一貫コースを運用する中で結果がついてくれば、取り込めていくのではないかと思う。

法曹コース構想は,ロースクールの時間的負担を軽減する話かと思っていたので,予備試験受験者を取り込むという話が出てきて,何のことかと思いました。

要するに,学部段階で優秀な学生は,ロースクールに行かず予備試験へ流れてしまうので,学部に法曹コースを設ければ,法曹コースからこれに続くロースクールへ取り込めるだろう,という話らしいです。

p4
○ 法学部と法科大学院の連携を、複数の大学が協定を結んだ上で進めるに当たり、学生の流動性にあまり制約がかかるとなれば、法科大学院進学よりも予備試験を選択することになることを懸念する。ついては、流動のある程度担保された制度の仕組みが必要と考える。

こちらの発言も,学生が予備試験へ流れることを意識しています。
たとえば,A大学からは,同じ大学のAロースクールにしか進めないという硬直的な制度を仮に想定すると,他のBロースクールに行きたいA大学の学生が,やむなく予備試験へ流れてしまう,というような話らしいです。

p4
現在検討している3+2では、予備試験を受けている層は法科大学院に来ないと思う旨の学生から感想を聞いた。さらにどういう方策があるかまで議論を深めることができれば有り難い。

しかし,学生の感覚からは,予備試験を受けるような層は,3+2では,ロースクールに行かないそうです。

下の発言にもあるように,法曹コースではかなり厳しく勉強しなければならないらしいですが,そんなにガリガリゴリゴリ勉強するのが5年も確定し拘束されるのであれば,学部1年から予備校に通ってガリガリゴリゴリ勉強して,予備試験を受けた方が,早期に合格できる可能性もありますし,仮に撤退することになったときにリスクが少ないと思います。

p6
法曹コースにおいてはかなり集中して法律に関する学修を行うべきではないかあまりに緩やかでは、あえて法曹コースを創設する意味は無いのではないか

法曹志願者減少の原因

p2
一番の課題は法曹志願者の減少。その原因は費用と時間的な負担が大きい。時間的負担の軽減を進める必要がある。一方、既修者中心となると、多様なバックグラウンドを持つ者が挑戦しにくくなる誤ったメッセージとなるおそれがある。

法曹志願者の減少の原因を,費用と時間的負担と分析されていますが,本当の原因は,弁護士の経済的価値の毀損ではないでしょうか。

10年前の10倍増 弁護士が独立より「企業内」を目指す理由 (日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース

では、その待遇はどうなっているのか? これも日弁連調査によると、企業内弁護士の最も多い年収帯は「500万〜750万円」。つまり、普通のサラリーマンと大差はない。実際、8人の企業内弁護士を抱えるソフトバンクは、基本的に給与は一般社員と一緒。所属の弁護士会に支払う弁護士会会費(東京弁護士会は年間50万円ほど)を肩代わりしてくれるだけだ。

 資格取得の難易度に対して給与が見合わない気もするが、今や弁護士の平均所得(収入から経費を除いたもの)は、わずか907万円。5年未満の弁護士にいたっては、448万円という薄給だ。ソフトバンク社員の平均年間給与1164万円というのを考えれば、普通の弁護士になるより安定した生活が待っている

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180208-00000019-nkgendai-life

インハウスの例ですが,多額の学費を払って,1日10時間勉強するなど数年間プライベートな時間を犠牲にして,それで「給与は一般社員と一緒」なら,わざわざ弁護士になるメリットはないでしょう。
それならば,最初から一般社員として入社した方がいいと思います。

また,旧司法試験でも,合格者の平均勉強期間は,時期によっても違いはありますが,5年〜6年だったときもありました。
ロースクールの既修と比べると,ロースクールが2年ですから,修了後3年〜4年目の合格となります。
旧司法試験も,決して,時間的負担が小さかったとは言えないでしょう。
予備校の利用も必須でしたから,ロースクールほどではないかもしれませんが,経済的負担もそれなりにありました。
それにも関わらず,旧司法試験が5万人の出願者を集めたのは,やはり弁護士の経済的価値に魅力があったからだと思います。

法曹志願者減少の原因を見誤っていたら,どんな対策をとっても,法曹志願者の回復にはつながらないと思います。

地方大学の法曹コース

p2
○ 法曹の多様性をしっかりと確保するため、地方の法学部法科大学院をどのようにして確保するかも重要な論点となるのではないか。

p3
法科大学院を持っていない地方大学の法学部から法科大学院に進む途を示すことが非常に大事である。(再掲)

p5
法科大学院が廃止された地方や、立地しない地方における法曹志望者をどのように吸収するかについても考慮すべき。他大学の法学部に置かれる「法曹コース」からの進学を考えるのであれば、教育課程をある程度標準化せざるを得ないのではないか。

p7
法科大学院は設置できなくとも、学部に法曹コースを設置することで、地方在住の者に法曹を目指す機会を提供することができるのではないか

地方にもかつてロースクールがありましたが,多くが廃校の憂き目にあっています。
それが,学部の「法曹コース」だと,うまくいくのでしょうか。

新制度を作れば,なんとなく人が集まってきてお金を払ってくれる,と思うのは,現実を甘く見ているとしか思えません。
学部の「法曹コース」であっても,選択者が1ケタ,さらには1ケタ前半になれば,独自のカリキュラムを組んで教員を配置するコストが効果に見合わなくなり,法曹コースの廃止ということもありえるのではないでしょうか。

未修者教育の「拠点化」という名のマス教育化

拠点 キョテン
デジタル大辞泉の解説

活動の足場となる重要な地点。

https://kotobank.jp/word/%E6%8B%A0%E7%82%B9-479844

未修者教育の「拠点化」が検討されているようです。

共通認識があるように,「拠点化」と各委員から連呼されていますので,何のことかと思いましたが,どうやら一部の有力校sl7(LL7?)が,未修者に対してマス教育をする,という構想のようです。

p9
拠点化や連携する意味は、適切な切磋琢磨ができることや、学生間で刺激を受けられるような環境を担保することだと考える決して少人数なら少人数の方が良いとか、楽をしようという意味でないことを確認する必要がある

p9
(前略)
未修者教育で大きな変革を考えるのであれば、既修者と切り離すのが良いかという議論はあるが、既修者と3年間切り離して教育することも考える必要があるのではないか。マンパワーの問題もあり、拠点化を考える必要もあるのでないか

p9
(前略)
一部の法科大学院を未修者の受け入れの拠点とすることは、養成すべき人材像を明確にして、法科大学院教育との接続まで考えて、合わせ技で行うべき。

p11
教育実績の高い法科大学院に法学未修者の受入れを拠点化することが必要ではないか

要するに,少人数教育という法科大学院の理念を投げ打って,易きに流れる,ということです。

現に,そのような指摘もありました。

p11
○ 法律基本科目について学部の講義を活用することとした場合、少人数教育を行うという法科大学院の理念との関係で問題があるのではないか

マス教育,多人数教育ということを決して明示せず,姑息な言い換えでごまかそうとするのは,有識者会議のもはや伝統芸と言えます。

これまでにも,制度設計ミスで下位ロースクールが次々と廃校に追い込まれていく様を,「選択と集中」と美しく言い換えていた,ということがありました。

選択と集中」〜「転進」する法科大学院 - タダスケの日記
http://d.hatena.ne.jp/tadasukeneko/20130102/1357110722

初学者へのマス教育ということであれば,各大学に法職講座などありますし,わざわざロースクールでやる必要があるとは思えません。課外講座として,各人が任意に受講すれば足ります。

法職講座カリキュラム | 中央大学
http://www.chuo-u.ac.jp/career/law_exam/support_tama/curriculum/

また,現在にもまして,未修者教育をするロースクールが少なくなるわけですから,近くに「拠点化されたロースクール」がない学生も多くなってしまいます。
「引っ越せ」ということなのでしょうか?

いわば「初心者コース」とも言える,学部の「法曹コース」と,「未修者教育」との区別が曖昧になるような気がします。
現に,未修者は「法曹コース」に編入すればいい,という発言もありました。

p11
法学未修者については、法学部(の法曹養成コース)2年または3年に編入して基礎的な法学を学修することとしてはどうか

(未修者コースの改善に関する配布資料では,なぜか拠点化については一切触れられていない……)

【参考資料2-2】法学未修者コースの改善について(案) (PDF:113KB) PDF
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/041/siryo/__icsFiles/afieldfile/2018/02/07/1401206_005_1.pdf

法科大学院の成績が同じでも,既修者に比べて,ダブルスコアで結果が振るわない未修者

p13
法科大学院の成績が同じである人達が司法試験を受けると、未修コースの学生の方がダブルスコアで結果が振るわない。司法試験を法科大学院教育に合わせてくれということはないが、法科大学院と適切な連携を図ったものにより一層なっていただきたい。

個人的な経験からしても,8科目の膨大な範囲を1度に問われる司法試験本番の成績が,本当の実力だと思います。
ロースクールの期末試験などは,範囲が狭いですし,授業をした教員が出題するわけですから,授業のノートを見ることが対策になるなどして,対応しやすいです。
そうした期末試験で,「実力のある既修者」が,未修者と同じような成績になってしまうのは,要は司法試験と関係がないので手を抜いているとか,いろいろな理由があると思います。

以前,弊ブログでもこの点を検討したことがありました。

テクニックが要求される法科大学院 - タダスケの日記
http://d.hatena.ne.jp/tadasukeneko/20130201/1359715211

予備試験合格者が中退することで空洞化する法科大学院教育

p13
○ 予備試験合格者や予備試験経由の司法試験合格者のような優秀な学生こそ法科大学院において多様な教育を受けることが望ましいと考えられるが、次々に法科大学院を中退してしまうため、逆に法科大学院教育の空洞化を招くなど、法科大学院教育に大きな影響を及ぼしている

勉強は所詮,個人でするもので,団体戦ではないですから,優秀な人が中退したからといって,何が空洞化するのかよくわかりません。

それほど優秀な学生が法科大学院教育に良い影響を及ぼしているなら,バイト代くらい払うべきではないでしょうか。

なぞかけ

甲「法科大学院制度とかけまして,山の旅館と解きます」
乙「そのこころは?」
甲「改築,改造を繰り返して,もはや原型を留めていません」

おまけ

法曹志願者が激減した?あーそーゆーことね,完全に理解した(予備試験受験者を取り込もう!)←わかってない

画像は以下を参照のこと。

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https://store.line.me/stickershop/product/1206683/ja

さては(ロースクールの)アンチだなオメー

画像は以下。

さてはアンチだなオメー (くそまんがのくそめいげん)とは【ピクシブ百科事典】<
https://dic.pixiv.net/a/%E3%81%95%E3%81%A6%E3%81%AF%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%81%E3%81%A0%E3%81%AA%E3%82%AA%E3%83%A1%E3%83%BC

ロースクールゥァア゛ーッ!!

画像は以下。

[15-1] ポプテピピック【15】 / 大川ぶくぶ / まんがライフWIN
http://mangalifewin.takeshobo.co.jp/rensai/popute/popute-015/15107/

ロースクール!?廃校したはずでは・・・

画像は以下。