経済性
ロー入学からロー卒業まで
無収入に加えてローの学費の支出が必要です(-20)。
ロー卒業から合格まで
合格率が30%に上がっているとはいえ,浪人することも十分にあります(-10)。
合格(修習開始)から就職まで
修習期間です。
給付制とはいえ,支出の方が多いでしょう(-10)。
弁護士n年目以降
年収300万円でもよいとして,弁護士増員が続いています。
裁判件数は増えておらず,需要と供給の関係からすれば,単年度においても非法曹の収入を超える保証はありません。
総合評価
橙の線の延長線が,緑の線の延長線を上回ってさらに,就職までのマイナスを補填できない限り,一般的な就職と比べて弁護士になる経済的なメリットはありません。
もともと,医者や弁護士のような,なるまでに長期の準備期間が必要な職業は,生涯収入において,経済的に大きなハンディキャップを負っているのです。
それでも旧司法試験の時代は,こうしたハンディキャップを相殺してなおそれなりの収入が得られる見込みがあったので,弁護士は,最大5万人の司法試験受験者が殺到する超人気職業でした(ロースクールの学費負担もありませんでした)。
しかし,ロースクールの大増員政策によって,弁護士の経済的価値は大きく毀損されています。
現在は,将来において余程の高収入を得られる見込みでもなければ,経済的な観点からは,弁護士を目指すべきではないでしょう。
レーダーチャートによる分析
非法曹と弁護士(ロースクール)
収入
弁護士のインフレによる経済的価値の下落を考慮して,非法曹を8,弁護士を7としました。
経済的コスト
コストが低いほど,数値が高くなるものとします。
非法曹は,特段のコストがないとして10,ローの学費,また無職期間の無収入を考慮して1としました。
なれる確率
昨今の合格率上昇を評価して,弁護士は5と評価しました。
可処分時間
あまり注目されることが少ないですが,弁護士になるには,司法試験の勉強に多くの時間が必要です。
1日10時間勉強する人も少なくないでしょう。
これを考慮して,弁護士は1としました。
社会的地位
一応の社会的評価を得ているので,弁護士は8としました。
総合評価
非法曹の緑のエリアが大きいことが一目瞭然です。
予備試験とロースクール
収入
四大事務所などの高額報酬の事務所が予備試験合格者を多く採用していることを評価して,予備試験を10としました。
経済的コスト
予備試験は,莫大なローの学費がかからないので5と評価しました。
なれる確率
不当に制限されている予備試験の合格率を考慮し,予備試験は1と評価しました。
可処分時間
予備試験合格者も,司法試験の勉強に多くの時間を費やします。
もっとも,ローへの通学時間や授業,予復習や課題 提出などにわずらわされず,司法試験の試験勉強に集中できることを評価し,予備試験を3としました。
社会的地位
四大事務所などに就職できる可能性が高いことを考慮し,予備試験を10としました。
総合評価
予備試験の緑のエリアが大きいことが一目瞭然です。
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