タダスケの日記

ある弁護士の司法制度改革観察記録

ロースクール的なジョーク(令和元年合格発表)

上がり続ける司法試験合格率

科学者、法学者、そして数学者が,司法試験受験者と合格者数の推移を表すグラフを眺めている。

彼らは,司法試験受験者が激減している一方,合格者数1500人を堅持しており,合格率が年々上がっているのに気付いた。

科学者は「こんなに合格率があがっては,弁護士の質が保てない。そもそもデータが不正確なのではないか」と言った。

法学者は「ロースクールによる教育によって,司法試験受験者のレベルが上がったのだ。合格率が上がるのは当然だ」と言った。

数学者は「あと何年か経てば合格率が100%を超え,司法試験を受験していない人も弁護士になれるね」と呟いた。

 

物理学者、生物学者、そして数学者が道に面したカフェに座って道路の反対側の建物に出入りする人々を観察している。最初に彼らは建物に入って行く二人の人物を見、しばらくして建物から三人の人物が出てくるのに気付いた。物理学者は「あれ、見落としがあったかな」と言い、生物学者は「いやいや、なかで増えたんだよ」と言った。それに対して数学者は「もしあと一人が建物に入れば、中には誰もいなくなるね」と呟いたという。

 

 

社会学者、政治家、法学者が学会に参加していた。

あるとき,3人は,年々法曹志願者が激減しているのに気づいた。

社会学者は,弁護士の経済的価値の下落,ロースクール制度による時間的経済的負担の増加,文科省の利権など,その原因を考え始めた。

政治家は,直ちに司法試験合格者数を減らした。

法学者は,「法曹志願者が激減しても,合格者1500人を維持すれば,見た目の合格率が上がって,司法試験改革当初に約束した合格率7,8割に近づくのだ。いったい何の不満があるのかね」と答えたという。

 

数学者、技術者、化学者が学会に参加しており、ホテルで隣接した部屋に滞在している。ある夜、彼らは階下のバーにいる。最初に数学者がベッドに戻る。次に化学者、そして数分後に技術者がベッドに戻る。化学者は部屋の外の廊下でゴミ箱が燃えているのに気付く。近くには水が入ったバケツがひとつある。化学者は即席で消火器を作るために二酸化炭素の発生手段を考え始めたが、結論が出る前に到着した技術者が火に水をぶっ掛けて消し止めた。翌朝、化学者と技術者は昨晩の小火騒ぎの顛末を数学者に話すと、数学者は昨晩ゴミ箱から火が出ていたことに気づいていたという。化学者と技術者は数学者になぜ消火しなかったのか訊ねると、数学者は軽蔑するように「火が燃えていて、そばに水入りバケツがある。何をすればいいかは明らかなのに、いったい何の不満があるのかね」と答えたという。

 

社会学者、経済学者、そして法学者が、激減する法曹志願者数を回復させる方法を考えている。

社会学者は,法曹志願者の時間的経済的負担を軽減する策を考えた。

経済学者は,旧司法試験の時代には,司法試験受験者が5万人を超えていたことを思い出して,弁護士の経済的価値を向上させる策を考えた。

彼らは「君はこれよりも良い策を思いつくか」と法学者に問うた。

法学者は,有識者会議で「合格者を年間1500人以上とする」と言った。

 

社会学者、物理学者、そして数学者が、同じ長さの閉じたロープによって最大の面積をもつ領域を囲む方法を考えている。社会学者は正方形の囲いを作った。物理学者は円の面積が周囲長の同じ正方形より大きいことを思い出して円を形成し、「君はこれよりも大きくすることができるか」と数学者に問うた。数学者は円形のロープで自分を囲んで「私が今立っているところを外側と定義する」と言った。

 

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おまけ

令和元年までの5年間にわたる司法試験の受験者数,合格者数,合格率から合理的に推認できないものをアからウまでの中から選べ。

 

ア 受験者集団の学力が,ここ数年で飛躍的に向上した事実はなく,司法試験の目的に反する状態が作出されている。

イ 受験者数の減少にしたがい合格者数も減少しており,来年は合格者1500人を下回ると予想される。

ウ 来年は1501人,再来年は1500人を合格させればいいので,法曹養成制度は安定的に運用されている。

 

参照条文

司法試験法

(司法試験の目的等)
第一条 司法試験は、裁判官、検察官又は弁護士となろうとする者に必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定することを目的とする国家試験とする。

 

おまけ2 

弁護士SF

 

際限なく上昇を続ける司法試験合格率。

ついに合格率400%を超え,司法試験を受験しない人にさえ,弁護士資格が付与されるようになり数百年後の日本。

国民の99%は弁護士資格を有し,わずかの不法行為も徹底して提訴される濫訴社会と,それ以外のわずかな土地に追いやられた非弁護士の社会に分けられていた。

非弁護士の住む村で暮らしていた主人公は,ある日,ネットオークションで不正に出品されていた弁護士バッジを手に入れた。

弁護士社会に潜入した主人公は,司法試験合格者数を削減すべく,出世をとげて,文科省の利権の中枢に迫ろうとするが・・・

 

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