ローの時代,白亜の塔に定評公という司法制度改革好きの老人がいた。
ローの学生が激減して,ローの経済が苦しくなったため,まだ法曹養成プロセスにある修習生に与えていた生活の糧をなくして,その分をロースクールに回そうと考えた。
定評公は修習生たちにこう言った。
「お前たちにやっていた給費制は廃止して,貸与制にする。
これで,生活できないということはあるまい。
もちろん貸与金は,弁護士になってから全額返してもらうがな。
これで修習に専念できるだろう。
どうだ?」
すると,修習生たちは皆怒りだした。
修習の専念義務を課されて拘束されながら無給では,腹がすいてしょうがないという修習生の心が定評公にはわかった。
定評公は内心しめしめと思いながら、こう言いなおした。
「わずかな額の修習手当を出そう。転居費用にあてるがよい。
これでよかろう?」
修習生たちは皆喜んでうなずくだろう……という定評公の予想に反して,修習生たちは依然として怒ったままだった。
「兼職を一部緩やかに認めてやろう。予備校のバイトで糊口を凌ぐがよい。申請すれば,事情に応じて個別に許可してやろう。
これでよかろう?」
今度こそ修習生たちは皆喜んでうなずくだろう……という定評公の予想に反して,修習生たちは依然として怒ったままだった。
さらには,法曹になるのは経済的不安が大きいとして,法曹志願者がますます減った。
コメント
貸与制とは,後に返すべきお金を,前の時点で受け取っているだけですよね?
朝23万暮-23万…
元ネタ
朝三暮四
宋に狙公という人がいた。狙とは猿のことで、その名のように狙公は
たくさんの猿を飼い、家の者の食べる物をへらしてまで猿に食わせると
いう猿好きであった。狙公には猿の心がよくわかり、猿にもまた狙公の
心がわかったという。なにしろ多数の猿だから、その食料もばかになら
ない。狙公はだんだん困ってきて、猿の飼料を制限するよりほかなくな
ったが、そのために、せっかく自分に馴れている猿の機嫌をそこねては
まずいと思い、まず猿たちにこう言った。
「お前たちにやるドングリを、
これからは朝に三つ、
暮に四つにしようと思うがどうだ?」
すると猿たちは皆怒り出した。朝三つでは腹がすいてしょうがないと
いう猿の心が狙公にはわかった。狙公は内心しめしめと思いながら、こ
う言いなおした。
「それじゃ、
朝は四つ、暮に三つということにしよう。
そうすればよかろう?」
猿たちは皆喜んでうなずいた。(中略)
だが、現在で「朝三暮四」の言葉は、狙公が猿を籠絡したということ
から、「人を籠絡してその術中に陥れること」とか「詐術を以て人を騙
すこと」とかの意味に使われている。
裁判所|司法修習生に対する修習資金の貸与制の概要
修習資金の貸与とは
最高裁判所が,修習のため通常必要な期間,司法修習生に対し,その申請により,無利息で,修習資金(司法修習生がその修習に専念することを確保するための資金)を貸与するものとする。(裁判所法第67条の2)
2 貸与額
修習資金の額は,一貸与単位期間につき,23万円(基本額)とする。(規則第3条第1項)http://www.courts.go.jp/saikosai/sihokensyujo/taiyo/taiyo_siryo1/index.html
集会:司法修習生手当給付復活へ 弁護士会館に200人 /大阪 - 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160904/ddl/k27/040/209000c